
36頁からの「BICYCLE-E・MOBILITY CITYEXPO 2026」の特集記事の中で改めて紹介させていただくが、 今年の本展示会には災害対策車の展示が予測を超えて目立つことになった。 災害大国ニッポンの現況を踏まえれば当然のことと言えるはずで、 災害緊急時には水、食料、電気などを被災地に届ける特別仕様の車両が必要不可欠になる。
災害対策と言うのであれば、それは自然災害だけに限ったことではなく、 戦火が広がる世界情勢を見渡せば、 日本も有事、すなわち紛争、戦争による万一の緊急事態に対する備えを想定しなければならない時代になってしまったようだ。
ウクライナ侵攻をやめないロシア・プーチン政権への怒りがおさまらない中、 イランの戦火が激しく燃えさかる事態となってしまった。 イスラエル・ネタニヤフ首相の先導にアメリカが同調した構図だが、 武力にものを言わせるトランプ政権の独断的な政治手法は決して許されるべきではないはずだ。 同大統領のグリーンランド、カナダ、キューバをめぐる発言も明らかに一線を超えている。
話が飛躍するようで恐縮だが、 昨年のメジャーリーグワールドシリーズは劣勢が伝えられたブルージェイズが大健闘し、 スリリングな試合が展開された。 ブルージェイズはカナダのトロントに本拠地があるが、 トロント市民、カナダ国民のブルージェイズ応援は異様なほどの盛り上がりを見せた。 それは「カナダを51番目の州にしたい」と言い放ったトランプ大統領の発言に対するカナダ国民の抗議の声だったようにも思える。
スポーツの話はともかくとして、世界の戦火は残念ながら収束への道筋を見出せないままで、 台湾有事などアジアにおいてもきな臭い政治情勢が深刻な事態に発展する可能性を抱えている。
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO2026」はモビリティ、 とりわけ電動車を有効活用したまちづくりを展望する展示会で、 緊急時における災害対策車の活動も重要なテーマである。 しかしながら、 災害対策車が人災、紛争、戦火の中を駆け巡るような事態を受け入れる日本国民は1人もいないだろう。 万一の事態に対する備えが必要であることは理解しているものの、 それはあってはならないことだというのが日本人の総意であるはずだ。
防災庁は2026年度中に発足するが、 これを契機として日本人の防災意識は一段と高まっていくに違いない。 モビリティを有効活用した防災体制の有り様もさまざまなケースを想定して論議されることになるだろう。 「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2026」で公開される災害対策車の機能、特質が注目される。
(本誌・高木賢)
ラストワンマイル向けの“働くEV”が会場に集結
「BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2026~自転車・電動モビリティまちづくり博~」が 6月10日(水)・11日(木)の両日、 昨年と同会場の東京・西新宿の新宿住友ビル三角広場(屋内ドーム空間)で開催される。
展示会場には出展者が想いを込めたEV(電気自動車)、電動バイク、電動アシスト自転車、 EV用充放電機器、駐輪・駐車場機器、災害対策車・防災用機器のニューモデル、注目製品が展示・公開される。
展示会場の主軸を形成するのはEV・電気自動車で、 それもラストワンマイル向けの“働くEV”が主力を占める。 それに呼応するかのように自動運転向けEV、実用性とゴージャス感を合わせ持つ輸入車両、 あるいはEVコンバージョントラックといった注目製品が会場をにぎわす。
日野自動車の「日野デュトロ ZEV」は超低床デザインを特長とする物流用EVだが、 架装に工夫を加えることでさまざまな活用バリエーションを創出できる多目的プレイヤーだ。
日産自動車と三菱商事が共同出資して2025 年に創設したMoplusは、 自動運転用の車両を活用して次世代モビリティサービスを展開中だ。 本展示会では地方自治体を主要対象として新たなサービス内容を提案する。
双日の100%出資会社であるKia PBVジャパンは、 韓国・KiaCorporationの注目EVであるPV5を展示する。 インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤーを受賞した PV5カーゴは先進的機能と洗練されたデザインで来場者の注目を集めるはずだ。
<以下本文は雑誌に掲載>
Moplus(本社・東京都千代田区、代表取締役CEO・柳瀬賢、代表取締役COO・荘司茂雄)は 2025年3月、日産自動車と三菱商事が共同出資して設立した新進企業だ。 同社は「モビリティで社会に活力をプラスする」をパーパスに掲げ、 次世代自動運転モビリティサービスと、 ドライバー付きAIオンデマンド交通サービス、EVカーシェアリング、 EVエネルギーマネジメントの各事業に取り組んでいる。
モビリティの可能性を追求し、 社会のリ・デザインを通じて未来のまちづくりにチャレンジしている同社の動向が注目される。
<本文は雑誌に掲載>
空きスペースを有効活用した小規模分散型駐輪システム「みんちゅうSHARE-LIN」 を運営するアイキューソフィア(本社・東京都新宿区、代表取締役社長・中野里美)は、 斬新な発想・フレッシュな企画力を駆使して駐輪・駐車業界に新風を送り続けている。
同社は着実に広がる実績をベースとして、 「みんちゅう」ビジネスのさらなる進化を期して奮戦中だ。
不正駐輪をなくし、 利便性に富む駐輪システムの構築を推進するアイキューソフィアの活動に対する賛同者、 支援企業の輪は広がりを見せている。
<本文は雑誌に掲載>
大阪市は令和7年4月から同市の代表的繁華街である曾根崎・梅田新道を中心とするキタエリア、 そして難波・心斎橋一帯のミナミエリアの両地区における夜間の放置自転車撤去作業を強力に推進している。 キタ・ミナミの両エリアとも昼間の放置自転車対策は順調に進み、 違法駐輪問題は順調に解消されているが、夜間の放置自転車は依然として目に余るものがあった。
こうした状況を改善すべく大阪市は 1年前からキタ・ミナミエリアにおける夜間の放置自転車の撤去作業に取り組んできたわけだが、 その甲斐あって現在の放置自転車は目に見えて減少した。 この撤去作業には、 関西地区を主力として駐輪場管理事業を営むアーキエムズのパーキングアプリケーションズが 効果的に活用されている。
大阪市建設局総務部の自転車対策担当課長の氏原正晴氏、 アーキエムズモビリティ・マネジメント事業部長の松本和敏氏に話を聞いた。
<本文は雑誌に掲載>
警視庁交番勤務の警察官の仕事は、激務だ。 犯罪防止・治安維持のための巡回・パトロール、交通整理・道案内、事件・事故の対応処理······。 ひとたび制服を着用すれば、24時間勤務で都民の暮らしを守るために緊張状態が要求される厳しい仕事である。
そんな過酷な交番勤務の中で重要なウェイトを占めているのが、 自転車で1日十数キロを走ると言われる担当エリアの巡回業務だ。 とりわけ夜間のパトロールは緊張感を保持しながらの走行を強いられるはずで、 警察官の心身には目に見えない疲労感が蓄積するに違いない。 であれば、警察官が使用する自転車は、肉体的な負荷を軽減する高機能製品であることが理想的と言えるだろう。
警視庁はこの度の契約で新型電動アシスト自転車「リバイク」を360台導入した。 警視庁が交番勤務の警察官用として本格的に電動アシスト自転車を導入したのは初めてのことだ。 警視庁の「リバイク」導入は、自転車の価値基準とステイタスを引き上げる意味でも画期的な選択と言えるだろう。
本誌では「リバイク」の開発に注力した丸石サイクル、太陽誘電、 そして警視庁に同モデルを提案したシゲオーの担当者に忌憚のない意見を披露していただいた。
なお、本座談会の記事の最後に本誌の質問に対する警視庁の回答を掲載させていただいた。
<本文は雑誌に掲載>
YOUON JAPAN(本社・東京都港区赤坂、代表取締役社長・孫峰)は、 水素エネルギーを軸として「移動・食・電力・住まい」のすべてを一体的に提供する「水素ライフエコシステム」の本格展開を開始した。 水素燃料電池アシスト自転車、水素ポータブル電源、水素コンロ・グリル、水素生成・貯蔵システム、水素スペースカプセルという 5つのライフソリューションが、 たった1本の水素カートリッジによってシームレスに連携する̶̶電力インフラや都市施設への依存を前提としない、 新しい自立した暮らしの提案だ。
110件の特許と多数の認証を背景に、 2025年大阪・関西万博における水素自転車の公式採用(会場移動用ツール)、 2026年春、長崎県時津町での全国初の社会実装など着実に実績を積み重ねてきた同社の動向が注目される。
<本文は雑誌に掲載>
ダイヘン(本社・大阪市淀川区、東京本社・東京都千代田区、代表取締役社長・蓑毛正一郎)と言えば、 変圧器、溶接機、半導体製造装置用高周波電源等の各事業で順調に業績を伸ばしてきたことは広く知られるところだが、 ここ数年来、注力しているのがEV(電気自動車)の充電システム事業だ。 プラグイン充電器のカテゴリーで4台連続充電が可能なD-Rusher(ディー・ラッシャー)を開発する一方、 停車中給電(SWPT)、走行中給電(DWPT)のワイヤレス給電システムでも先進的な研究・開発に取り組んでいる。
技術力をバックボーンとして躍進を続けてきたダイヘンは、 EV充電システムでも確たる実績構築に向けて全力投球していく構えだ。 同社の充電システム事業部を率いる鶴田義範事業部長にインタビューした。
<本文は雑誌に掲載>
桜美林大学大学院長・国際学術研究科長の雷海涛教授はグローバルビジネスの観点に立ち、 実業界に貢献できる即戦力人材の育成に注力している。
同教授は東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修了後に東芝に入社し、 26年間にわたってビジネス界に身を投じてきた。 東芝退社後、8年前から桜美林大学で教鞭を取り、 日中ビジネス、グローバルサプライチェーン、イノベーション経営戦略を専門分野として研究を続けている。
日中の自動車産業に造詣が深く、EVビジネスの発展に期待を寄せている。
本誌では雷教授のインタビュー記事を短期集中連載していく。
(聞き手:本誌 高木賢)
<本文は雑誌に掲載>



<最新号(5月号)の誌面より>